目的と位置づけ
本書は「月次売上1,000万円を安定的に達成している状態」を具体的に定義するものである。 現状分析書(Document 01)で明らかになった課題を踏まえ、達成すべきゴール像を数値・体制・プロセスの観点から明確化する。 この定義を土台に、事業設計書(Document 03)で具体的な施策を導出する。
定義の原則:「なんとなく1,000万円」ではなく、「稼働人数×単価×稼働率×パートナー数」に分解し、各要素の目標値を明確にする。数字に根拠があることが、事業部長への承認の前提条件。
1. 数値目標の分解(KPIツリー)
最終目標 KPI
月次売上 1,000万円
安定的な達成(3ヶ月連続達成を「安定」と定義)
▼
稼働エンジニア数
5〜6名
月次平均での稼働目標
平均単価
175〜200万円
現状単価帯の上限を目指す
稼働率
90%以上
ベンチ期間を最小化
▼
上流パートナー数
10社以上
安定供給に必要な取引先数
月次新規案件数
2〜3件
終了案件の補充に必要な新規数
案件パイプライン数
常時10件以上
3ヶ月先まで見通せる案件数
▼
月次営業アプローチ数
20社以上
新規上流開拓の活動量
商談化率
20%以上
アプローチ → 打合せ設定
成約率
50%以上
打合せ → 案件受注
目標値の根拠
| 指標 | 目標値 | 根拠・算出ロジック |
|---|---|---|
| 月次売上 | 1,000万円 | 稼働6名 × 単価167万円 = 1,002万円(保守的試算) |
| 稼働エンジニア数 | 5〜6名 | 単価150万円なら6〜7名、200万円なら5名が必要。中間値として5〜6名を目標に設定 |
| 上流パートナー数 | 10社以上 | 1社あたり平均0.5〜1名の案件を出してもらうと仮定。5〜6名稼働には最低10社が必要 |
| 稼働率 90%以上 | 90%以上 | ベンチ期間が月1週間(25%)を超えると採算が崩れるため。業界標準は85〜90% |
| 月次営業アプローチ | 20社以上 | 商談化率20%・成約率50%で計算すると、月2件の受注には20社へのアプローチが必要 |
2. フェーズ別マイルストーン
Phase 1 ── 基盤固め
2026年6月〜8月(3ヶ月)
500万円/月
売上消失リスクの回避 + 営業の仕組み立ち上げ
- 既存パートナーから追加案件受注(売上ゼロ防止)
- 新規上流パートナー3社との接点構築
- 稼働エンジニア3名以上を確保
- 営業アクティビティ(週次アプローチ5社)を習慣化
- リソース調達のフロー整備(発動条件の明確化)
Phase 2 ── 拡大期
2026年9月〜11月(3ヶ月)
750万円/月
取引パートナー拡大 + リソース安定供給の確立
- 上流パートナー5〜7社との継続取引
- 稼働エンジニア4〜5名
- 月次アプローチ15社を達成
- 人材紹介・新規採用チャネルの安定稼働
- 案件パイプライン(常時7件以上)の可視化
Phase 3 ── 安定期
2026年12月〜2027年3月(4ヶ月)
1,000万円/月
目標達成 + 3ヶ月連続1,000万円を「安定」と認定
- 上流パートナー10社以上との継続取引
- 稼働エンジニア5〜6名・稼働率90%以上
- 月次アプローチ20社・成約率50%以上
- 案件パイプライン常時10件以上
- 3ヶ月連続1,000万円達成で次フェーズ(1,500万円)へ
3. リソース構成の目標(調達パターン別)
現状のリソース構成(推定)
既存プロパー
70%
協力会社(WORK HERO等)
25%
人材紹介・新規採用
5%
課題:プロパーに依存しすぎており、スケールできない
目標のリソース構成(安定期)
既存プロパー
30%
協力会社(WORK HERO等)
30%
人材紹介
25%
新規採用(業務委託等)
15%
目標:4チャネルに分散し、スケーラブルな構成へ
4. 上流パートナー構成の目標
| フェーズ | 取引パートナー数 | 新規開拓目標 | 既存深耕目標 | 1社あたり平均稼働 |
|---|---|---|---|---|
| 現状 | 2社 | ─ | ─ | 1〜1.5名 |
| Phase 1(〜3ヶ月) | 3〜5社 | 2〜3社の接点構築 | 既存2社から追加案件打診 | 0.8名 |
| Phase 2(〜6ヶ月) | 5〜7社 | 月2〜3社の新規接触 | 継続受注の仕組み化 | 0.7名 |
| Phase 3(〜12ヶ月) | 10社以上 | 月3〜4社の新規接触 | 上位5社とのアライアンス締結 | 0.5〜0.6名 |
集中リスクの定義:1社あたりの売上依存度が30%を超えた場合、分散を優先する。ブレインパッドとFastLabelへの依存度を月次でモニタリングする。
5. 機能要件(必要な能力・仕組み)
REQ-01
営業体制:アウトバウンド営業の実行能力
| 要件項目 | 現状 | 目標 |
|---|---|---|
| 月次新規アプローチ数 | ほぼ0社 | 20社以上 |
| 商談(打合せ)数 | 依頼ベースのみ | 月4件以上 |
| 営業担当者の有無 | 兼務・不明確 | 営業専任または0.5名相当の工数確保 |
| ターゲットリスト管理 | なし | CRM or スプレッドシートで100社以上管理 |
REQ-02
リソース調達:需要に即応できるリソースパイプライン
| 要件項目 | 現状 | 目標 |
|---|---|---|
| スタンバイ候補数(案件が来たら即提案できる人材) | ほぼなし | 常時3名以上 |
| 平均リソース提案リードタイム | 1〜2週間以上(場当たり) | 3営業日以内 |
| 調達チャネル数 | 2〜3チャネル(不明確) | 4チャネル全てを稼働状態に |
REQ-03
案件管理:パイプラインの可視化
| 要件項目 | 現状 | 目標 |
|---|---|---|
| 案件パイプラインの可視化 | なし(属人的) | 常時10件以上の案件をステータス管理 |
| 稼働スケジュールの先読み | 1ヶ月先が見えない | 3ヶ月先の稼働予定を常時把握 |
| KPIの月次レビュー | 未実施 | 月次でKPI管理シート(Document 07)をレビュー |
6. 非機能要件(リスク・前提条件)
| 区分 | 要件 | 理由 |
|---|---|---|
| リスク許容度 | 固定費の増加は月次売上の50%以内に抑える | 売上が不安定な時期に固定費が膨らむと損益が悪化する |
| 撤退基準 | Phase 2終了時点(9ヶ月後)で月次売上600万円未満の場合、戦略を見直す | 成果が出ない施策への投資を継続しないための判断基準 |
| 単価の下限 | 1名あたり月130万円を下回る案件は原則受注しない | 低単価案件は稼働コストと採算が合わず、優良案件の機会を逃す |
| 品質基準 | 上流パートナーからのクレームゼロを維持する | 既存2社との関係が最重要資産。信頼損失は回復不可能 |
| リソース確保優先順位 | 案件確定後にリソース調達を開始する(原則・需要先行) | 先にリソースを抱えると案件がなければ固定費が発生する |
| 上流集中リスク | 1社依存度30%超を継続しない(モニタリング必須) | 現在のブレインパッド・FastLabel集中を解消するため |
7. 本要件定義の承認条件
本要件定義書が承認されることで、次の事業設計書(Document 03)に記載する施策の目的・優先順位の判断基準が確定する。
以下の項目について事業部長の合意を取ることが本書の目的。
| # | 確認項目 | 状態 |
|---|---|---|
| 1 | 月次1,000万円を達成目標とすることへの合意 | 要確認 |
| 2 | 達成期限(2027年3月)の妥当性への合意 | 要確認 |
| 3 | フェーズ1の最低目標(月次500万円)への合意 | 要確認 |
| 4 | 撤退基準(Phase 2で600万円未満なら戦略見直し)への合意 | 要確認 |
| 5 | リソース調達の原則(需要先行・固定費抑制)への合意 | 要確認 |
| 6 | 営業専任工数の確保(0.5〜1名相当)への合意 | 要確認 |