SES事業拡大プロジェクト ── 社内提案資料
Document 02 / 07

要件定義書(TO-BE定義)

作成日:2026年5月28日 担当:田中 颯大 ステータス:初版

目的と位置づけ

本書は「月次売上1,000万円を安定的に達成している状態」を具体的に定義するものである。 現状分析書(Document 01)で明らかになった課題を踏まえ、達成すべきゴール像を数値・体制・プロセスの観点から明確化する。 この定義を土台に、事業設計書(Document 03)で具体的な施策を導出する。

定義の原則:「なんとなく1,000万円」ではなく、「稼働人数×単価×稼働率×パートナー数」に分解し、各要素の目標値を明確にする。数字に根拠があることが、事業部長への承認の前提条件。

1. 数値目標の分解(KPIツリー)

最終目標 KPI
月次売上 1,000万円
安定的な達成(3ヶ月連続達成を「安定」と定義)
稼働エンジニア数
5〜6名
月次平均での稼働目標
平均単価
175〜200万円
現状単価帯の上限を目指す
稼働率
90%以上
ベンチ期間を最小化
上流パートナー数
10社以上
安定供給に必要な取引先数
月次新規案件数
2〜3件
終了案件の補充に必要な新規数
案件パイプライン数
常時10件以上
3ヶ月先まで見通せる案件数
月次営業アプローチ数
20社以上
新規上流開拓の活動量
商談化率
20%以上
アプローチ → 打合せ設定
成約率
50%以上
打合せ → 案件受注

目標値の根拠

指標目標値根拠・算出ロジック
月次売上 1,000万円 稼働6名 × 単価167万円 = 1,002万円(保守的試算)
稼働エンジニア数 5〜6名 単価150万円なら6〜7名、200万円なら5名が必要。中間値として5〜6名を目標に設定
上流パートナー数 10社以上 1社あたり平均0.5〜1名の案件を出してもらうと仮定。5〜6名稼働には最低10社が必要
稼働率 90%以上 90%以上 ベンチ期間が月1週間(25%)を超えると採算が崩れるため。業界標準は85〜90%
月次営業アプローチ 20社以上 商談化率20%・成約率50%で計算すると、月2件の受注には20社へのアプローチが必要

2. フェーズ別マイルストーン

Phase 1 ── 基盤固め
2026年6月〜8月(3ヶ月)
500万円/月
売上消失リスクの回避 + 営業の仕組み立ち上げ
  • 既存パートナーから追加案件受注(売上ゼロ防止)
  • 新規上流パートナー3社との接点構築
  • 稼働エンジニア3名以上を確保
  • 営業アクティビティ(週次アプローチ5社)を習慣化
  • リソース調達のフロー整備(発動条件の明確化)
Phase 2 ── 拡大期
2026年9月〜11月(3ヶ月)
750万円/月
取引パートナー拡大 + リソース安定供給の確立
  • 上流パートナー5〜7社との継続取引
  • 稼働エンジニア4〜5名
  • 月次アプローチ15社を達成
  • 人材紹介・新規採用チャネルの安定稼働
  • 案件パイプライン(常時7件以上)の可視化
Phase 3 ── 安定期
2026年12月〜2027年3月(4ヶ月)
1,000万円/月
目標達成 + 3ヶ月連続1,000万円を「安定」と認定
  • 上流パートナー10社以上との継続取引
  • 稼働エンジニア5〜6名・稼働率90%以上
  • 月次アプローチ20社・成約率50%以上
  • 案件パイプライン常時10件以上
  • 3ヶ月連続1,000万円達成で次フェーズ(1,500万円)へ

3. リソース構成の目標(調達パターン別)

現状のリソース構成(推定)

既存プロパー
70%
協力会社(WORK HERO等)
25%
人材紹介・新規採用
5%

課題:プロパーに依存しすぎており、スケールできない

目標のリソース構成(安定期)

既存プロパー
30%
協力会社(WORK HERO等)
30%
人材紹介
25%
新規採用(業務委託等)
15%

目標:4チャネルに分散し、スケーラブルな構成へ

4. 上流パートナー構成の目標

フェーズ取引パートナー数新規開拓目標既存深耕目標1社あたり平均稼働
現状 2社 1〜1.5名
Phase 1(〜3ヶ月) 3〜5社 2〜3社の接点構築 既存2社から追加案件打診 0.8名
Phase 2(〜6ヶ月) 5〜7社 月2〜3社の新規接触 継続受注の仕組み化 0.7名
Phase 3(〜12ヶ月) 10社以上 月3〜4社の新規接触 上位5社とのアライアンス締結 0.5〜0.6名
集中リスクの定義:1社あたりの売上依存度が30%を超えた場合、分散を優先する。ブレインパッドとFastLabelへの依存度を月次でモニタリングする。

5. 機能要件(必要な能力・仕組み)

REQ-01
営業体制:アウトバウンド営業の実行能力
要件項目現状目標
月次新規アプローチ数ほぼ0社20社以上
商談(打合せ)数依頼ベースのみ月4件以上
営業担当者の有無兼務・不明確営業専任または0.5名相当の工数確保
ターゲットリスト管理なしCRM or スプレッドシートで100社以上管理
REQ-02
リソース調達:需要に即応できるリソースパイプライン
要件項目現状目標
スタンバイ候補数(案件が来たら即提案できる人材)ほぼなし常時3名以上
平均リソース提案リードタイム1〜2週間以上(場当たり)3営業日以内
調達チャネル数2〜3チャネル(不明確)4チャネル全てを稼働状態に
REQ-03
案件管理:パイプラインの可視化
要件項目現状目標
案件パイプラインの可視化なし(属人的)常時10件以上の案件をステータス管理
稼働スケジュールの先読み1ヶ月先が見えない3ヶ月先の稼働予定を常時把握
KPIの月次レビュー未実施月次でKPI管理シート(Document 07)をレビュー

6. 非機能要件(リスク・前提条件)

区分要件理由
リスク許容度 固定費の増加は月次売上の50%以内に抑える 売上が不安定な時期に固定費が膨らむと損益が悪化する
撤退基準 Phase 2終了時点(9ヶ月後)で月次売上600万円未満の場合、戦略を見直す 成果が出ない施策への投資を継続しないための判断基準
単価の下限 1名あたり月130万円を下回る案件は原則受注しない 低単価案件は稼働コストと採算が合わず、優良案件の機会を逃す
品質基準 上流パートナーからのクレームゼロを維持する 既存2社との関係が最重要資産。信頼損失は回復不可能
リソース確保優先順位 案件確定後にリソース調達を開始する(原則・需要先行) 先にリソースを抱えると案件がなければ固定費が発生する
上流集中リスク 1社依存度30%超を継続しない(モニタリング必須) 現在のブレインパッド・FastLabel集中を解消するため

7. 本要件定義の承認条件

本要件定義書が承認されることで、次の事業設計書(Document 03)に記載する施策の目的・優先順位の判断基準が確定する。 以下の項目について事業部長の合意を取ることが本書の目的。
#確認項目状態
1月次1,000万円を達成目標とすることへの合意要確認
2達成期限(2027年3月)の妥当性への合意要確認
3フェーズ1の最低目標(月次500万円)への合意要確認
4撤退基準(Phase 2で600万円未満なら戦略見直し)への合意要確認
5リソース調達の原則(需要先行・固定費抑制)への合意要確認
6営業専任工数の確保(0.5〜1名相当)への合意要確認