SES事業拡大プロジェクト ── 社内提案資料
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営業戦略書

作成日:2026年5月28日 担当:田中 颯大 ステータス:初版

本書の目的

現状最大のボトルネックは「待ちの営業」である。案件の依頼が来るまで受動的に待つスタイルでは、月次1,000万円の安定達成は不可能。 本書では、アウトバウンド営業を習慣化するための具体的な戦略・チャネル・活動量・スクリプトを定義する。

最重要の認識:SES業界において「良い仕事をすれば依頼が来る」は一定成立するが、それだけでは5〜6名の継続稼働は維持できない。 上流パートナーは常に複数のSES会社から提案を受けており、「顔を出し続ける会社」が優先される。接触頻度が受注率を決める。

0.5 競合環境と自社の訴求ポイント

上流パートナーは複数のSES会社から常に提案を受けている。営業活動を始める前に「なぜ自社を選ぶべきか」を言語化し、すべてのアプローチで一貫して伝える。

自社(Homula)
AI/ML特化型・少数精鋭SES
  • ブレインパッド・FastLabelの納品実績あり
  • AI/データ領域のエンジニア理解が深い
  • 打診から3営業日以内の提案を標準化
  • 担当者が一本化されており連絡がスムーズ
  • 準委任契約・品質管理フロー完備
競合①:大手エージェント系SES
人材プールは大きいが汎用型
  • 案件数・登録者数は多い
  • 技術ドメインの専門理解が浅い
  • 対応窓口が多く、意思決定が遅い
  • 提案まで1〜2週間かかる場合もある
  • エンジニア品質のばらつきが大きい
競合②:同規模の中小SES
価格は安いが実績・体制が弱い
  • 単価は低めで価格競争に走りやすい
  • AI/スタートアップ案件の実績が少ない
  • リソースプールが薄く急な需要に対応困難
  • 品質管理が属人的になりやすい
  • 継続的な関係維持の仕組みが弱い

営業トークの核心(USP = ユニーク・セリング・ポイント)

実績の信頼性:ブレインパッドとFastLabelという、AI/データ領域で実績のある企業との継続取引実績が、「技術領域への適合性」を示す最大の証拠になる。初回アプローチ時に必ず言及する。
対応スピード:案件打診から3営業日以内での候補提案を原則とする。「いつまでに人が出せるか」はパートナーが最も気にするポイントであり、ここで差別化できる。
窓口の一本化:担当者(田中)が営業・提案・稼働後フォローをすべて担い、何かあればすぐに連絡がつく体制であることを伝える。大手にはできないフットワークの軽さが自社の強み。
注意:実績数値の事前整備が必須。 「ブレインパッド・FastLabelの実績」を訴求するには、「何名・何案件・どんな技術領域で」の具体的な数値が必要。 この数値が言えない状態での営業開始は説得力が半減する。事業部長への提出前に実績資料を別途1枚作成すること。

0.7 案件ポートフォリオ設計(受ける案件の基準)

闇雲に案件を取るのではなく、案件を「3バケツ」で分類し、意図的にポートフォリオを設計する。現フェーズでは安定収益(バケツA)の構築を最優先とする。

バケツA ── 安定収益ライン
60%
目標ポートフォリオ比率
期間:6ヶ月以上
商流:2次以内
単価:175万円以上
目的:ベンチ期間ゼロ・売上安定化
リソース:プロパー優先 → 協力会社
バケツB ── 単価引き上げライン
30%
目標ポートフォリオ比率
期間:問わない
商流:1次が理想
単価:200万円以上
目的:AI/ML専門性で単価底上げ
リソース:プロパー / レバテックFreelance
バケツC ── パイプライン確保
10%
目標ポートフォリオ比率
期間:3ヶ月以内・つなぎ
商流:制限なし
単価:150万円以上
目的:ベンチリスク発生時の保険
リソース:人材紹介 / SESエージェント

案件評価4軸(打診を受けたら必ずこの軸で判断する)

評価軸推奨要注意原則NG
稼働形態 リモート or ハイブリッド(週2〜3出社) フル常駐(エンジニア負担大)
商流 1次 or 2次以内 3次(単価減・関係が薄い) 4次以下(収益効率が悪い)
期間 6ヶ月以上 3〜6ヶ月(つなぎとして可) 1ヶ月未満(コスト割れリスク)
単価 175万円以上 150〜175万円(バケツCなら可) 150万円未満
商流制限の考え方:単価175万円の3次請けより、150万円の1次請けを取りにいく方が長期的に有利。関係の深さ・紹介発生・条件交渉力の差が半年後の売上に効いてくる。現行パートナー(BrainPad/FastLabel)はいずれも1〜2次。この水準を維持・強化することが基準になる。

バケツ別アタック方法とリソース確保計画

バケツターゲットアタック方法リソース調達
A(安定収益) DXコンサル・中堅SIer・AI系スタートアップ(採用中) LinkedIn/メールで「6ヶ月以上の安定稼働」を前面に出す プロパー優先。長期案件なので採用も連動させる
B(単価引き上げ) AI受託開発会社・LLM活用スタートアップ BrainPad/FastLabel実績を具体数値で訴求(〇名・〇案件・技術スタック) プロパー優先。レバテックFreelanceのAI系高単価人材を並行活用
C(パイプライン確保) SES専門エージェント(geechs job・プロエンジニア等) エージェント登録のみ。営業工数ほぼゼロ 人材紹介一択。協力会社はバケツA/Bに回す

1. 営業ファネル設計(目標数値)

新規アプローチ
月次目標
20社
返信・反応あり
商談化率 20%
4社
打合せ(ヒアリング)
設定率 100%
4件
提案(リソース提案)
提案率 75%
3件
案件成約
成約率 50%
1〜2件
ファネル設計の根拠: SES業界の平均的な商談化率は10〜25%。20社アプローチで月1〜2件の成約は現実的な目標。 既存パートナーからの追加案件は別途カウントし、ファネルには含めない。

2. 営業チャネルと優先度

📧
メール・DM営業
今すぐ開始
5社へのアプローチ
テンプレート整備で効率化
💼
LinkedIn営業
今すぐ開始
CTO・エンジニアリングマネージャーへのコネクト申請
5件
🌐
Wantedly
今すぐ開始
「エンジニアリソース提供」で訴求
3〜5社へのアプローチ
🤝
既存パートナーからの紹介
今すぐ開始
打合せのたびに「他社紹介」をお願いする
四半期1件の紹介獲得を目標
🎯
IT系勉強会・イベント
Phase 2〜
AI・データ系イベントに月1〜2回参加
名刺・コネクション獲得
📱
X(Twitter)・テック系SNS
Phase 2〜
SES・AIエンジニア関連の発信で
認知獲得。週2〜3投稿目標

3. ターゲット上流企業の戦略設計

ターゲット企業はTierで優先順位を設けつつ、企業タイプ別にペルソナと営業トークを変える。同じアプローチで全社に当たるのは非効率。

Tier 1 ── 最優先
AIスタートアップ(データ・ML系)
BrainPad・FastLabelの隣接領域。自社の実績と強みが最もマッチする。AI案件の需要が急拡大中。
アプローチ:LinkedIn・Wantedly・紹介経由。「AIエンジニアのリソース提供実績」を前面に出す。
Tier 1 ── 最優先
データ活用・アナリティクス系企業
既存パートナーと同業種。採用ノウハウと訴求メッセージをそのまま転用できる。
アプローチ:メール・LinkedIn。「データエンジニア・MLエンジニアの供給実績」を中心に訴求。
Tier 2 ── 優先
DXコンサル・ITコンサルファーム
案件量が多く、恒常的にリソース不足。一度関係ができると安定的な案件供給が期待できる。
アプローチ:LinkedIn・既存パートナーからの紹介が有効。信頼構築に時間がかかるため早めに種まき。
Tier 2 ── 優先
中堅SIer・受託開発会社
開発リソース不足が慢性的。比較的アプローチしやすく、案件の単価も安定している。
アプローチ:メール・Wantedly・テレアポ。「即戦力エンジニアの短期供給」を強調。
Tier 3 ── 中期
SES専門エージェント・IT人材会社
マージンは低めだが、案件が安定的に流れてくる。営業工数がかからない分、他の開拓に集中できる。
アプローチ:エージェント登録のみ。基本的にパッシブなチャネルとして活用。
Tier 3 ── 中期
事業会社のIT部門(内製化推進中)
単価が高くなる場合があるが、アプローチに時間がかかる。Phase 2以降に注力。
アプローチ:紹介が主。IT系イベントでのコネクション構築が起点になる。

3.5 パートナーペルソナ別 特徴とトーク設計

上流パートナーのタイプによって、担当者像・課題・意思決定スピード・刺さるトークが異なる。接触前に相手のタイプを見極めてからアプローチする。

Type A
AIスタートアップ
(BrainPad/FastLabel類似)
担当者CTO・エンジニアリングマネージャー
課題採用が追いつかない/PJごとにスキルセットが変わる
意思決定速い(2〜3週間で結論)
アタックLinkedIn直DM・Wantedly
「AIプロジェクトの実案件を持つエンジニアを3営業日で提案できます。BrainPad/FastLabelでの稼働実績があり、データパイプラインからMLモデル実装まで対応しています」
Type B
DXコンサル・中堅ITコンサル
担当者プロジェクトマネージャー・外部委託担当
課題案件繁忙期のリソース不足/専門スキルの調達
意思決定遅め(稟議あり・1〜2ヶ月)
アタック紹介経由が最も刺さる。LinkedIn後に信頼構築
「期間・スキルを柔軟に調整可能で、準委任契約での品質管理フロー完備です。急な増員にも3営業日で対応できます」
Type C
中堅SIer・受託開発会社
担当者採用担当・プロジェクト責任者
課題慢性的なリソース不足・技術スキル補完
意思決定中程度(1ヶ月前後)
アタックメール営業・Wantedly・テレアポも有効
「案件単位でAI/データエンジニアを即戦力で提供できます。Wantedlyで開発体制を強化中の御社と相性がいいと考えご連絡しました」

3.6 具体的な企業リスト(BrainPad/FastLabel隣接・優先順)

★★★ 最優先 ── AI/MLスタートアップ系

優先度企業名理由アプローチ方法
★★★ PKSHA Technology AI/NLPが主軸のSaaS企業。エンジニアリソース需要が高い LinkedIn(EM/CTO直DM)
★★★ Laboro.AI AI受託開発の中堅。FastLabel隣接。常にリソース需要あり Wantedly / LinkedIn
★★★ ridge-i 画像AI特化。FastLabelと技術領域が近い LinkedIn
★★★ DATAFLUCT データ活用支援。BrainPad競合の隣接領域 LinkedIn / Wantedly
★★★ ALBERTs データサイエンスコンサル。BrainPadと近い事業領域 LinkedIn
★★★ Elyza LLM系AI企業。ChatGPT以降の需要急増でリソース需要大 LinkedIn(CTO直DM)
★★★ Lightblue Technology 画像認識・生成AI系。FastLabel隣接 LinkedIn
★★★ Turing 自動運転AI。急成長フェーズでリソース需要大 Wantedly
★★★ DATUM STUDIO データ分析支援。BrainPad系と競合・隣接 LinkedIn

★★ 優先 ── DXコンサル・データ活用系

優先度企業名理由アプローチ方法
★★ クラスメソッド AWSでの開発支援が主軸。データエンジニアの需要が高い LinkedIn / メール
★★ フューチャーアーキテクト DXコンサル中堅。技術系案件多数 LinkedIn経由の紹介
★★ NTTデータ数理システム 数理最適化・データ分析専門。技術領域マッチが高い LinkedIn
★★ サーバーワークス AWS専業SIer。データ基盤案件が多い Wantedly / メール
★★ インティメート・マージャー データ活用・DMP。リソース需要あり LinkedIn
★★ ISID(電通国際情報サービス) データ活用・AI推進部門が拡大中 紹介経由が理想

★ 補完的 ── 中堅SIer・受託開発

優先度企業名理由アプローチ方法
フォルシア 受託開発中堅。AIプロジェクト案件あり メール / Wantedly
ソウルドアウト デジタルマーケ系。データ活用需要あり メール
Repro MAツール会社。データエンジニア需要あり LinkedIn
Gunosy メディア×データ。エンジニアリソース需要定常的 LinkedIn
SES専門エージェント(バケツC用・営業工数ゼロ):geechs job・プロエンジニア・レバテックパートナー。エージェント登録のみでパッシブに案件が来る。バケツCのパイプライン確保として活用し、メイン営業工数はTier 1/2企業への直接アプローチに集中させる。

4. 既存パートナー深耕プラン(短期最優先)

パートナー今週のアクション今月のアクション継続施策
ブレインパッド ・担当者にメールまたは電話でアポ打診
・「案件終了後の次の相談」というテーマで設定
・打合せの実施
・追加案件ニーズのヒアリング
・提案可能なリソースを1〜2名提示
・月1回の情報交換を定例化
・先方の採用計画・プロジェクト状況を把握
・新規案件が発生したら第一報が来る関係を作る
FastLabel ・同様にアポ打診
・紹介可能な上流先がいないか聞く機会を設ける
・案件継続の可能性確認
・新規案件ニーズのヒアリング
・「知り合いのSES担当者の紹介」を依頼
・月1回の定期連絡
・AIラベリング以外の案件ニーズも掘り起こす
・先方の事業拡大動向をフォロー
重要:既存パートナーへの深耕は「売り込み」ではなく「相談・情報提供」のスタンスで行う。 「リソースが空いてるので案件ください」ではなく、「御社の今後のプロジェクト計画でお力になれることはないか」という姿勢が信頼を生む。

5. 週次営業スケジュール(推奨パターン)

月曜日
  • ターゲットリスト確認・今週のアプローチ先選定
  • 先週の商談フォローアップ
  • KPI進捗確認
火曜日
  • 新規アプローチ メール送信 × 3社
  • LinkedIn コネクト × 3件
  • 商談準備(資料・ヒアリング事項の整理)
水曜日
  • 打合せ・商談 × 1〜2件
  • 商談後の議事録・フォローメール送信
  • リソース候補の確認・スタンバイ更新
木曜日
  • 新規アプローチ メール × 2社
  • 既存パートナー定期連絡(月1回)
  • 提案書・スキルシート整備
金曜日
  • 週次活動ログ記録・振り返り
  • 来週のアプローチリスト作成
  • 案件パイプライン更新
時間工数の目安:週次営業活動に必要な工数は約5〜8時間(1日1〜2時間)。専任者がいない場合でも、この程度の時間確保が最低限必要。 他業務との兼務の場合、午前中の2時間を営業時間として固定するのが習慣化のコツ。

6. 営業アプローチの型(スクリプト概要)

初回メール・DM(新規アプローチ)

目的:返信・反応を得ること。売り込みではなく「価値提供の提案」として送る。

件名:【エンジニアリソースのご相談】〇〇様のプロジェクト支援についてご連絡

〇〇株式会社 〇〇様

はじめまして、[会社名]の田中と申します。
御社がAI・データ活用の分野で積極的にプロジェクトを推進されていることを拝見し、ご連絡差し上げました。

私どもは、ブレインパッドさまやFastLabelさまのプロジェクトにおいてデータエンジニア・MLエンジニアのリソース提供を行ってきた実績がございます。

プロジェクトのフェーズ変化や採用タイミングによってエンジニアのリソース需要が変動する場面で、迅速にご支援できる体制を整えております。

もし今後のご計画でお力になれることがあれば、一度30分ほどお話しさせていただけますでしょうか。

ポイント:①自己紹介、②なぜ連絡したか、③実績の簡潔な提示、④具体的なアクション依頼(30分の打合せ)

初回打合せ(ヒアリング)のアジェンダ

目的:相手のニーズを深く把握し、「また相談したい」と思ってもらうこと。提案は次回以降でよい。

時間内容ポイント
〜5分自己紹介・会社紹介実績(ブレインパッド/FastLabel)を必ず言及
〜15分相手のプロジェクト・組織の現状ヒアリング「どんな技術領域が多いか」「リソースの調達方法は」
〜20分課題・ニーズの深掘り「リソース不足を感じる場面はあるか」「理想の調達スピードは」
〜5分次のアクション設定「スキルシートをお送りする」「次回は具体的な案件でご相談」
既存パートナーへの紹介依頼(トークスクリプト)
「〇〇さん、いつもお世話になっております。おかげさまで現在のプロジェクトも順調です。
実は最近、私どもも積極的に取引先を広げようとしていまして、もしよろしければ、 〇〇さんのご知人でエンジニアリソースの調達でお悩みの方がいらっしゃいましたら、一度ご紹介いただけますでしょうか。 もちろんご紹介いただければ丁重にご挨拶に伺います。」

ポイント:売り込みではなく「相手の知人への価値提供」として伝える。断りやすい雰囲気で気軽にお願いすること。

7. 営業KPI(月次管理)

KPI項目Phase 1目標Phase 2目標Phase 3目標計測方法
月次新規アプローチ数10社15社20社以上営業ログ(スプレッドシート)
商談(打合せ)数2件3件4件以上Google Calendar / ログ
案件提案数1件2件3件以上営業ログ
成約数1件1〜2件2件以上受注記録
既存パートナー定期連絡2社/月3社/月5社/月営業ログ
案件パイプライン件数3件以上7件以上10件以上案件管理シート
紹介獲得数0〜1件/四半期1件/四半期2件/四半期営業ログ

8. 営業管理ツール(推奨構成)

ツール用途コスト推奨度
Googleスプレッドシート ターゲットリスト管理・営業ログ・KPI記録 無料 Phase 1から必須
Google カレンダー 打合せ管理・週次営業時間のブロック 無料 Phase 1から必須
LinkedIn(無料プラン) ターゲット企業の担当者へのアプローチ 無料 Phase 1から推奨
Notion 案件パイプライン管理・商談メモ 無料〜月1,000円程度 Phase 2から推奨
HubSpot(無料CRM) 商談ステータス管理・フォローアップ自動化 無料(基本機能) Phase 2〜3で検討